【全21本】ラズパイで作った無料オンラインゲームの置き場 ― echo-studio 全タイトル紹介
ラズパイでゲームを作って、公開して、それで満足していました。
ところが先日、アクセス解析を突き合わせて青ざめた。
公開している21本のゲームのうち、13本はGoogleがそもそも「存在を知らない」状態だったのです。
検索に出ないどころの話じゃない。
この世に無いことになっていた。
作った本人としては、けっこうな衝撃でした。
夜な夜な仕様書を書いて、効果音を選んで、アイコンを32pxまで縮めて確認して。
それでも、誰にも届いていない。
というわけで、この記事は自分のための「置き場所づくり」でもあります。
ついでに、友達と通話しながら無料で遊べるブラウザゲームを探している人には、たぶんそこそこ役に立つはず。
登録もインストールも不要、スマホのブラウザだけで遊べるものを21本、全部紹介します。

echo-studio は、私が作っているオンラインゲームの置き場です。
サーバーはクラウドではなく、家で常時稼働しているRaspberry Pi 4。
そこにPythonのFastAPIとWebSocketを載せて、ゲームごとにサブドメインを切っています。
遊び方は全部おなじです。
ホストが部屋を作る → URLかルームIDを配る → 各自スマホで入る。
それだけ。
議論はDiscordなどの通話でやる前提のものが多いです。
というか、そこが一番おもしろいので、通話しながら遊んでほしい。
全部無料で、会員登録なし。
広告も出しません。出す気力がない、とも言う。

あ~忙しい。21本もあるのか。わしはどれから遊べばいいんじゃ。

遊び方のタイプで5つに分けてあるので、気になった章だけ読めば大丈夫なんですよね。上から順に読む必要はないです。
全21本 早見表(人数が少ない順)
まず人数を確認してから、気になったタイトルの章へ飛んでください。
「◯人〜」は最少人数、上限まで増やしてもだいたい成立します。時間はあくまで目安で、盛り上がると平気で倍になります。
まず1本ならこれ。裏切り者を探す「正体隠匿」5本
人狼が好きな人はここから。
ただし人狼と違って脱落がありません。これは全ゲーム共通のこだわりで、途中で死んで暇になる人を作りたくなかった。
異世界脱出ゲーム
異世界脱出ゲーム(5人用・文字を持ち寄る協力&裏切り推理)
5人にひらがな1文字ずつが配られ、それを持ち寄って「脱出キー」を組み立てます。
でも1人だけ、スパイが混ざっている。
スパイは脱出キーも爆破キーも両方知っていて、みんなを爆破キーへ誘導してくる。
入力できるのは投票で選ばれた1人だけ、というのがえげつない。
3ターン外したら負けです。
裏切りの軍議
裏切りの軍議(戦国時代が舞台の正体隠匿ボードゲーム・4〜8人)
戦国の陣中、軍議の席。
味方の顔をして座っている中に、寝返りを決めた者がいる。
echo-studioで一番最初に立ち上げた空間で、要は「和風の正体隠匿」です。
スマホの縦画面でリアルタイムに進行します。
合戦BGMを流しながらやると雰囲気が出る。出しすぎて誰かの声が聞こえなくなる。
あやつり怪人
あやつり怪人(4〜8人・怪人に質問する正体隠匿ゲーム)
洋館に現れた「何でも知っている怪人」に、みんなで好きな質問をぶつけられます。
ただし怪人の返事をタイプしているのは、仲間の誰か1人。
その操り手は、回答の中に呪いの言葉を3つこっそり混ぜ込むのが目的です。
リザルトで仕込みワードが一斉開示されて「あの回答かよ!」となる瞬間が全部。
怪人の声は音声合成でしゃべります。
【画像挿入:あやつり怪人のマスクのアイコン画像】
SUSPECT LINK
SUSPECT LINK(容疑者になりすます文体トリック推理・オンライン)
宇宙ステーションの取調室。
各プレイヤーは容疑者アバター1体と密かに紐づけられ、その容疑者として供述します。
やっかいなのは、供述に変な文体ルールが強制でかかること。
語尾が「ござる」になったり、全部カタカナになったり。
誰がどのアバターかを隠しつつ、他人の紐づけを見抜く。逃げ切れなかったら得点があっても勝てません。
忘却の宿
忘却の宿(記憶力で戦う旅館ミステリー・3〜11人)
夜の旅館。1時から7時まで、自分の行動カードが5秒ずつ表示されます。
メモ禁止。記憶だけが頼り。
朝になると管理人が事件を告げて、「その時刻にその部屋にいたのは誰か」を全員で探します。
見返せるのは直近3時間ぶんだけ。
自分が犯人だと途中で気づいたときの、あの黙る感じがたまらない。

記憶だけで勝負って、私にできるかしら。すぐ忘れちゃうのよね。

それが逆にいいんですよね。全員そこそこ忘れているので、記憶自慢の人が無双する展開にはならないんです。
声とマイクを使う。うるさい系3本
スマホのマイクを使うタイプ。
集まって遊ぶ日にいちばん盛り上がるのは、だいたいこの3本です。
ただし夜中のマンションでやるとご近所トラブルになるので、そこは自己責任で。
VOICE BREAK
VOICE BREAK(叫び声が武器になる協力ボス戦・1〜11人)
録音した声がそのまま攻撃になります。
咆哮・絶叫・口笛・ビートボックス・囁き・泣き・歌・笑いの8系統に自動で判定されて、属性と威力が決まる仕組み。
おもしろいのは囁きは小さい声ほど強いところで、大声が出せない人もちゃんと戦える。
ラスボス戦、弱点を推理して全員でカウントダウンして同時に叫ぶところが最高です。
5秒の検閲
5秒の検閲(音声を消し合う冷戦スパイゲーム・3〜8人)
ボス役が爆弾の設置場所を10秒の音声に吹き込む。
CIA役はその音声のうち合計5秒ぶんだけをノイズで潰せる。
実行犯役は、ザラついた音声の隙間から場所を聞き取って答える。
「どこを消すか」の読み合いが全部です。
リザルトで原音が開示されて、ハッタリだった部分がバレる瞬間に全員が叫ぶ。

SILENT VAULT
SILENT VAULT(音を立てずに金庫を破るリアルタイム協力ゲーム・3〜8人)
眠っている警備員を起こさないように、全員でそーっと伸縮アームを伸ばしてデータコアを盗み出す。
だるまさんが転んだ、の金庫破り版です。
1プレイ約6分。
警備員が目を開けかけて、オペレーターが「止まれ!」と叫んで全員が指を止める数秒。
あそこだけで作った価値がありました。

マイクって、許可を出すのが難しそうだわ。

ブラウザの許可ダイアログでOKを押すだけです。Androidだけは端末の設定側でChromeのマイクが拒否になっていることがあるので、そこだけ先に見ておくと安心なんですよね。
全員で協力する。勝ち負けを分け合う4本
裏切り者を探すのに疲れた日はこっち。
負けても全員で負けるので、後味がやさしいです。
遺跡でのコト
遺跡でのコト(数字を言わずに例えで並べる協力ゲーム・4〜8人)
手元の石像に1〜100の数字が刻まれていて、それを絶対に口に出さずに「お菓子のおいしさ」みたいなお題で例えて伝えます。
全員の石像を昇順に並べられたら成功。
並べ終えたあとの1体ずつめくる開示演出がこのゲームの本体で、外すと石像が奈落に落ちていきます。
あの落下音がやたら効く。
夜明けの森
夜明けの森(真っ暗な森で合流する協力+スパイゲーム・4〜8人)
10×10の真っ暗な森に、全員がバラバラに放り込まれます。
足あとや標識を頼りに互いを探して、夜明けまでに出口の門へ集合する。
ただし1人だけ、大金になりそうなキノコを持ってひとりで抜け出したいスパイがいる。
1ターンは10秒。時間切れになったらスパイも含めて全員負けます。
暗闇と沈黙がずっと続くので、通話が異様に盛り上がる。

PHANTOM LOG
PHANTOM LOG(AIの亡霊に尋問される協力サイバースリラー・1〜5人)
これは正直、うちで一番いやな気持ちになるゲームです。
調査時間は7分。そのあいだのあなたのスクロールや消した文字までが記録されていて、尋問フェーズでAIの亡霊がそれを引用してくる。
「さっき、そこで手が止まりましたね」と言われる恐怖。
ソロでも遊べます。むしろソロが一番こわい。
みんなの知らない奇妙な小話
みんなの知らない奇妙な小話(言葉をつなぐ協力パーティゲーム・3〜8人)
「いつ・どこで・誰が・何を・どうした・なぜ」の6マスを、全員で1行ずつ書き継いでいきます。
人数分の小話ができあがって、朗読中にいいと思ったところで「キャー」ボタンを押す。
一番キャーを集めた話が、おババという妙なおばあさんに献上されて蔵書に残ります。
大喜利が苦手な人でも、他人の1行に乗っかるだけで名作ができるのがいいところ。

へ~、協力ゲームってぬるいのかと思ってた。ぼくも興味あり。

全然ぬるくないんですよね。遺跡でのコトは1個ズレただけで全滅なので、めくる瞬間はみんな無言になります。
言葉と想像力で勝負する3本
推理が苦手でも、言葉のセンスと人間観察で勝てるタイプ。
飲みながらやるのに向いています。
未解決事件の真相
未解決事件の真相(1枚の記録画像から真相を書く推理系大喜利・最大11人)
誰かが倒れている「記録」が1枚提示されます。壁画だったり、古い新聞写真だったり、防犯カメラの静止画だったり。
全員が「なぜこの人は倒れているのか」を書いて、匿名で並べる。
本物の真相を持っているのはその回の親だけ。
当てても、うまく騙しても加点される。親は当てられすぎても誰にも当てられなくても損をする、あの構造です。
The Living Gallery
The Living Gallery(丸い覗き穴から見た物を言い当てる観察ゲーム・3〜11人)
暗い陳列室を、展示物が左から右へ横切っていきます。
見えるのは丸い覗き穴で切り取られた一部だけ。
何だったかを言葉にして投稿し、匿名で並べて投票します。
裁定を下すのは片眼鏡の館長。10回に1回くらいの気まぐれで「じっとりと湿った……正解なし」と鼻で笑ってくる。
終盤には実在しない空想の展示物が出てきます。
LocalHost / Sync-Chamber
LocalHost / Sync-Chamber(友達の答えを当てる相性クイズ・ローカルAI採点)
「カラオケの1曲目は?」みたいな質問に、全員が10字以内で自分の本音を書いておきます。
そのあと1人ずつ被験者になって、他の人は「あの人ならこう答えるはず」を書く。
採点するのは家のPCで動いているローカルAI。ニュアンスが近ければ部分正解になります。
ひとりだけ完璧に当てると「親友」。誰にも当てられないと「謎の個体」。
この称号がだいたい笑いを生みます。


AIが採点するのか。わしの答えが的外れ判定されたら腹が立つのう。

そこは救済があって、被験者本人が「これは正解でいいよ」と格上げできるんですよね。下げるのは禁止にしてあります。荒れるので。
1対多の読み合い。スリルを味わえる5本
誰か1人が狙われる側になる、非対称タイプ。
刺さる人にはこの章がいちばん刺さると思います。
大統領を守れ
大統領を守れ(狙撃と護衛の心理戦・2〜12人)
大統領は式典から夜のダンスパーティーまで、5つの公務をこなします。
目立つ立ち位置ほど支持は上がるが、撃たれる確率も上がる。
最上段の「決死」は得点最大、そのかわり読まれて撃たれたら命中率100%で即死。
スナイパーの弾は2発だけ、護衛が守れるのは1シーンだけ。
全部が読み合いです。
監禁された隙間から
監禁された隙間から(短い通信文で助けを求めるAI判定ゲーム)
閉じ込められた側が、わずかな隙間から短い通信を外へ送ります。
伝えるべきは犯人の名前・監禁されている場所・電話番号の3つ。
その文面をローカルAIが読んで、3項目を拾えているかを判定する仕組みです。
焦って書くと抜ける。丁寧に書くと文字数が足りない。
短い文章に何を詰めるかで性格が出ます。
少女救出ワードスペース
少女救出ワードスペース(5×5盤の連想&正体隠匿・5〜11人)
逃げ込んだ少女が5×5のワード盤のどこかに隠れます。
少女は連想ワードを口で言うだけ。守り人はYES/NOで答えられる質問を1つ作って、1ターンに1マスだけタップできる。
ただし守り人の中に守り人のふりをしたハンターが紛れていて、こっそり密告を1回だけ撃てる。
外しても誰にも通知されないのがいやらしい。

BLIND: SEKIGAHARA
BLIND: SEKIGAHARA(座標を掘って進む歴史IFレース・3〜5人)
5×5×5の見えない立方体から座標を1つ選んで掘り、出た数字だけ前に進みます。
自分が今どこにいるかは数字で表示されません。演出の速さと順位だけが手がかり。
15マス地点で本能寺の変が起きて、信長を助けるか静観するかの二択を迫られる。
助けると近道に入れるけれど、先行しているライバルが別ルートへ弾き飛ばされます。
Survive the Choice
Survive the Choice(12ターンの二択サバイバル・5〜9人)
砂漠・無人島・宇宙船・ジャングル・誰かの胃袋。
そのどこかに放り込まれて、究極の二択を12回繰り返します。競うのは多数派にいた回数。
さらに全員に秘密の職業があって、自分の担当カテゴリでも多数派を取る必要がある。
そして結果は最終ターンまで一切公開されません。
つまり議論中は言いたい放題。嘘つき放題。

「誰かの胃袋」って何。気になりすぎるんだけど。

あの舞台だけ、汚い表現を全面解禁しているんですよね。カードを書いていて一番笑ったのもそこでした。
準備中のもの
碧波島ミステリーツアー(孤島の宿を舞台にしたマーダーミステリー)
孤島の宿に集まった9人。20年前の出来事を抱えた家族と、招かれた客。
キャラクターのハンドアウトと勝利条件を配って、なりきり投票まで含めて遊ぶ本格的なマダミスです。
これだけはまだ準備中で、遊べる状態になっていません。
ボリュームがあるぶん、作りかけのまま置いてあります。
いつか、と言い続けてもう半年たった。
作っている側の、ちょっとした脱線
#こういうゲームを作る手順、曲作りとほとんど同じだなと最近思っています。
サビにあたる「一番気持ちいい瞬間」を先に決めてしまって、あとからAメロにあたる導入と、間奏にあたるルール説明を埋めていく。
で、たいてい間奏が埋まらない。
曲でいうところの「サビは神なのにイントロが凡庸」みたいな状態のゲームが、私のフォルダには何本も眠っています。
公開までたどり着いたのがこの21本、というだけの話。
真似したくなるような作り方を、いつかできるようになりたい。
なかなかできませんけどね。
あと、これは技術的な話ですが、全部Python(FastAPI+WebSocket)で書いています。
フロントはフレームワークなしの素のJavaScript。
ラズパイ1台でここまで動くのかと、作った本人が一番びっくりしている。
そのへんの構成は別記事でちゃんと書きます。

遊んでみたいと思ったら
気になったタイトルのリンクを開いて、部屋を作って、URLを友達に投げるだけです。
3人集まれば、だいたいのゲームは成立します。
感想をもらえるとめちゃくちゃ喜びます。
というか、感想が唯一の燃料です。
先日、夜明けの森のテストに息子を巻き込んだんです。
真っ暗な森の画面をのぞき込んで、しばらく黙って、
「おとうさん、これ こわい」と言って布団に逃げていった。
こわいのか。
いや、こわいのは正解なんだ。そう作ったから。
翌朝、朝ごはんを食べながら「きのこの人、つかまえた?」と聞いてきた。
おぉ、覚えているじゃないか。
そう思えたので、今日もいい1日でした。

